「伝える、励ます、学ぶ、被災地方言会話集―宮城県沿岸15市町―」とは
東北大学方言研究センターでは、3.11東日本大震災を受け、方言による会話を収集する調査を行い、宮城県沿岸被災地の「方言会話集」を作成しました。
この方言会話集の目的は次の3つです。
・変化を余儀なくされる被災地の方言を記録し後世に「伝える」
・避難している方々に故郷の方言を配信することで「励ます」
・支援に入る方々が被災地の方言を「学ぶ」ことに役立てる
原則として、各市町70歳前後の男女各1名のペアに会話をしてもらい、方言を録音し、それを文字に起こすという作業を行いました。
この「東日本大震災と方言ネット」では、音声(MP3形式)と文字化資料(PDF)を公開しています。
「伝える、励ます、学ぶ、被災地方言会話集―宮城県沿岸15市町―」の内容について
「伝える、励ます、学ぶ、被災地方言会話集」には【自由会話】と【場面設定会話】があります。
【自由会話】
あるテーマを設定し、あとは自由に会話をしてもらったものを録音しました。その地域の比較的自然な会話が記録されています。
テーマ:「震災」「地域の伝統文化」「方言に対する思い入れ」
録音時間:各20分(公開は各市町10分のみとなります)
【場面設定会話】
朝昼晩のあいさつや物を借りる時など、13の場面を設定し、演技をしてもらったものを録音してあります。【自由会話】に比べると自然さは多少落ちますが、ボランティアなどの支援者の方がその地域の表現を知りたい場合や、地域ごとの表現の違いを知りたい場合などに利用しやすくなっています。
テーマ:あいさつ、ねぎらい、勧め、訪問時の声掛け、
借用の依頼と受託、お礼、
破損の謝罪・許容・不満、誘いと断り、
お見舞い、申し出、禁止
(計13場面)
※場面設定会話については、一部の調査地点で、調査者の声や雑音など、不必要な部分をカットしてつなぎ合わせる加工を施しています。
加工を施すにあたっては、自然な会話の流れを崩さないよう心がけましたが、その点、ご承知おきください。
なお、自然な会話の流れとまとまりという観点から、調査地点ごとに談話の長さが不統一となっておりますので、あわせてご承知おきください。
この会話集について詳しいことを知 りたい方はこちら▼